絵本の時間

幼い頃、読んでもらった絵本。内容はおぼろげになった本もありますが、忙しかった両親が寝る前に読み聞かせをしてくれる、短いけれど温かい時間は、一生の宝物です。そんな記憶を綴り、自分の子どもたちにも幸せの記憶を贈りたいと願うブログです。

ぼくがおっぱいをきらいなわけ

ぼくがおっぱいをきらいなわけ (絵本のぼうけん)
ぼくがおっぱいをきらいなわけ (絵本のぼうけん)
ポプラ社


あらすじ
ボクはおっぱいがきらいです。
ボクがその訳を語ります。


下に妹が生まれたボク。おっぱいがないと眠れないなんて赤ん坊のすることだと甘える妹を見て言い放ちます。
それに、おっぱいがあるせいでママはお風呂に入る時間が長いのに違いない!とか、着替えが大変なのに違いない!とか考えたりします。ママはボクを抱きかかえて体を洗ってくれるのですが、ボクは息が苦しくなり窒息するかもしれないと考え「おっぱいはきけんだ!」と断言。さらに、パパのおっぱいには毛が生えているから嫌いです。


お風呂上がり、ボクは飼い猫が子どもたちにおっぱいを飲ませているのを見て「そんなふうに甘えられるのも、妹か弟が生まれるまでだぞ」と語りかけます。


その瞬間、ゴツンと壁に頭をぶつけるボク。
泣くのを我慢したけれど、コブが出来てしまいました。我慢しながら、妹を寝かしつけるママの所に行くとママは「イタイのイタイのとんでいけ」と優しく抱きしめてくれます。


そしたら、おっぱいは温かくて、優しくて。
今までせっかく我慢していたのに「わーん」と泣きじゃくるボク。
そして、言い放つのです。
「だから、おっぱいがきらいなんだ」と。

思い出
 koli太郎が一歳半を過ぎた頃、ちびkoliが生まれました。今まで独占していた私の膝でしたが、koli太郎は「あーちゃん」と妹のことを呼び、とてもかわいがってくれました。
自分のことを「にぃにぃ」と呼び、「お兄ちゃんになれたのが嬉しい!」を全身で表現して、とてもかわいかったのを覚えています。
 koli太郎は、夜眠る前の読み聞かせが大好きでした。けれど、私ときたら夜泣きするちびkoliで手がいっぱい。koli太郎を寝かしつける頃には、自分が眠くて眠くて。
「今日はごめんね。ママ疲れちゃった」
と言い訳する日が続いていたような気がします。


 そんな日が続いていた頃、ちびkoliの乳児検診がありました。
 小さなkoli太郎も預ける場所がなく、仕方なく一緒に連れて行きました。会場では保健婦さんが小さなお兄ちゃん、お姉ちゃんを有り難いことに預かってくれます。いつもなかなか私と小さな妹から離れないkoli太郎でしたが、読み聞かせをしてくれるということでニコニコと保健婦さんについていきました。
 さて、いつまでもつかなぁ・・・・と思っていた私。
けれど、最後までkoli太郎は私の元には戻ってきませんでした。
どうしたのかなぁ?とちびkoliを抱っこして、お迎えに行くと『ぼくがおっぱいをきらいなわけ』を、みんなで読み聞かせしてもらっているところでした。私も後ろに座り、一緒に読み聞かせを聞きました。
 最初は楽しかったのに、飼い猫の子ねこに向かって「そうやって甘えられるのも妹か弟が生まれるまでさ」とボクが言うシーンでは、何だかkoli1太郎の本音を聞かされているようで、胸がチクチク痛みました。そして、ママの胸にぎゅっと抱っこされて「わーん」と泣きじゃくるボクの挿絵を見て、koli太郎の心の声を聞いた気がしました。
 自分のことを「にぃにぃ」と呼び、自分で自分を励ましていたに違いないkoli太郎。横目で羨ましく私とちびkoliを眺めていたかもしれない瞬間を思いました。
 私は「にぃにぃ」の兄として頑張ろうとする気持ちに、甘えていたのだと思います。たった2歳になるかならないかの息子に。
 帰り際、koli太郎に聞きました。「さっきの絵本好き?」するとkoli太郎はニッコリして答えました。「しゅき。」
「ママのこと好き?」
「しゅき」
「あーちゃんは?」
「しゅき」
「・・・・ママとぎゅってしたい?」
「した~い♪」
チャイルドシートにちびkoliをのせると、koli太郎をぎゅっと抱きしめました。
小さな小さな「にぃにぃ」は、もっと小さな妹が大好きで、たくさん我慢して、たくさん譲って、たくさん切ない思いを押し殺し、甘えたい気持ちを抑え込み。
その小さな心にたくさんの想いを抱えていたのに気づかされた私。その晩から、どんなに疲れていても、読み聞かせの時間だけは「にぃにぃ」を優先して読むことに決めました。
「にぃにぃ」のその優しさは今も変わらず。
母を思いやり、妹を思いやり、家族を優しく勇気づけてくれる頼もしい兄として成長してくれています。
後日談
パパとお風呂に入ったkoli太郎。
パパのおっぱいの毛を引っ張って怒られました。
やっぱり「毛の生えたおっぱいは嫌い」みたいです(笑)
後後日談
「ショックだわ~」と高校生になったkoli太郎。
「どうしたの?」と母。
真顔で「おっぱいに毛が生えた・・・・」。爆笑。

 子どもたちに幸せの記憶をおくろう

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