絵本の時間

幼い頃、読んでもらった絵本。内容はおぼろげになった本もありますが、忙しかった両親が寝る前に読み聞かせをしてくれる、短いけれど温かい時間は、一生の宝物です。そんな記憶を綴り、自分の子どもたちにも幸せの記憶を贈りたいと願うブログです。

図書館ライオン

としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
としょかんライオン (海外秀作絵本 17)
岩崎書店

あらすじ
 ある日、図書館にライオンがやってきます。図書館員のマクビーさんは大慌て。でも、図書館長のメリウェザーさんは、きまりを守っているならば、ライオンが来ても構わない、図書館は決まりさえ守れば、誰でも本を楽しむことが出来る場所であることを告げます。ライオンは、お話の会の始まるずっと前に図書館にやって来て、メリウェザーさんのお手伝いをするようになりました。棚のほこりをしっぽで払ったり、封筒をなめて封をするお手伝いをしたり、子どもたちを背中に乗せて、高い棚にある本をとるお手伝いをしたり・・・・。すっかり人気者になったライオンを見て、マクビーさんはおもしろくありません。ところが、ある日、メリウェザーさんがライオンの目の前でケガをしてしまいます。メリウェザーさんを助けるために、図書館では禁じている「走ること」「吠えること」をしてしまったライオンは、次の日から図書館に現れなくなりました。ケガをしたメリウェザーさんも元気がなくなっていきます。マクビーさんは、自分に出来るお手伝いがあることに気がつきます。メリウェザーさんとライオンを元気にするために・・・・。ライオンを探すマクビーさん。そして図書館の入り口前に座り込む、雨でびしょ濡れのライオンを発見。マクビーさんは「図書館の決まりが変わった」ことをライオンに告げます。「訳があったときは、決まりを破ってもいい」ということ。例えば、ケガをした友だちを助けるときなど・・・・。翌日、嬉しさのあまり、決まりを破って図書館を走ってかけより、ライオンを抱きしめるメリウェザーさんがいました。

絵本の思い出
 「だって、先生がいってたもん」が、口癖の小学校1年生の頃の娘ちびkoli。不思議なモノで、小さな子どもにとって、先生のおっしゃるコトって絶対!ここが家だからとか、相手が大人だからとか、なかなか融通が利かないのですよね。自分たちのルールがあてはまらない大人のことを、ちょっと批判したい気持ちもあったのかもしれません。そんなとき、兄koli太郎が大きなケガをしました。毎日、学校までの送迎をすることになったのですが、学校のきまりでは家族に送迎してもらわず自力で登校しましょうの一文が・・・。ちょっぴり「お兄ちゃんずるい!」という気持ちもあったのでしょう。お兄ちゃんを「足をケガしたのではないのに、歩かないのは約束違反だ!」と責めました。その時に、読んであげたのが図書館ライオン。ルールを守るって大切。けれど、その時や状況でみずからルールを破って人を助けたり、思いやったりすることがあるのだということに気がついて欲しかったのです。何よりちびkoliには、ルールは大切だけれど、ルールに振り回されるのではなく、自分で考えて行動できるようになって欲しいと思いました。
 娘はわーんっと泣きました、笑。自分でもひどいこと言っているなぁと思っていたけれど、約束を守らないのは悪い子だから・・・と言って。お兄ちゃんを悪い子にしたくなかったし、自分も悪い子になってはいけないと、ルールと感情の間に挟まって、苦しい思いをしていたみたいです。
 大人だったら、そんなことはすぐに分かるけれど、娘の中では小さな、けれど本人にとっては大きな葛藤があったのでしょう。「図書館ライオン」は、そんな葛藤を家族で話し合う機会を作ってくれた、大切な思い出の絵本です。

「子どもたちに幸せの記憶をおくろう」


   
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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大きな木~THE GIVING TREE~

今日の絵本

おおきな木
おおきな木
あすなろ書房

あらすじ
一本のリンゴの木が主役の絵本。木は子どもが大好きでした。子どもも木のことが大好きでした。子どもは木のそばで遊び、ぶら下がり、リンゴの実をほおばります。木はとても幸せでした。でも子どもは、どんどん成長します。そして、大人になると木に会いに来なくなり・・・・。寂しいリンゴの木。大人になった子どもが会いに来たときに「お金が欲しい」と言います。木は、自分のリンゴを全て与え、お金に換えるように言いました。子どもはそのとおり、実をすべて持って行ってしまいます。木はとても幸せでした。また、壮年になった子どもが家を建てたいと言ったときには、自分の枝を与え、最後に船が欲しいといった子どものために、自分を切り倒すように言います。切り株だけになってしまったリンゴの木は、それでも嬉しかったのです。
 年老いた子どもがやって来たとき、木は、何も与える物がなくなったことを告げますが、子どもは座って休みたいと言います。ただ、黙って子どもが座ってくれたとき、木はとても嬉しかったのです。

絵本の思い出
 小さな頃、母がこの本を自分の本棚に置いていました。母は、保育士。本当に忙しくて、当時は私が目の覚める前に登園し、夕飯を食べ終わる頃に帰ってくる生活をしていました。母のいないぽっかりと空いた仕事部屋。でも、母の匂いのする部屋が、私は大好きでした。「大きな木」の本は、母の仕事関係の本とは別に、並べてありました。ぎゅうぎゅう詰めの書棚の中で、この本の並べてある段だけがいつも整理整頓がされていて、きっと母にとって特別な空間だったのだと思います。
 母はなぜ、この本を大切にしているのだろう?小さかった私は、全くもって理解不能でした。なんて、わがままな子どもだろう。なんて身勝手な子どもだろう。木は、お人好しすぎると、子どもながらに感じました。
 今、母になり、たくさんの人と関わる中で、私の母がなぜこの絵本を大切にしていたか、分かってきた気がします。年老いた母は、幸せな気持ちでいてくれるのだろうか、そんなことも考えます。
 与える喜び、育てる喜び、無償の愛について考えます。母のように。私は、自分の子どもたちに見返りを要求しようとは思いません。思わない自分でありたい。また、周りの人に優しい自分でありたい。お人好しと言われても、甘いと叱られても、自分に出来る小さなコトを喜びと感じられる生き方をしたい。そう思います。理想ですがね(*´∀`*)。今の私は、子どものように誰かに一方的に何かを求めていたりはしないだろうか?特に、母に。でも、それは、もしかすると年老いた母にとっては喜びなのかも知れません。だから、私に対する無償の愛に気づくことの出来る自分でありたいとも思います。感謝の心を忘れずに・・・。こうした、無償の愛と感謝の関係は、きっと私たちの生き方を楽にしてくれるはず。
 本当の豊かさとは、こういうことではないのかしら?と思います。本当の幸せとは、誰かに評価されたり、うらやましがられたりすることではなく、こうした関係の中にあるのではないかしら?と思います。


 一握りの誰かの記憶に残る優しい種をまくことが出来たなら、私はとても幸せです。この記事を読んでくださっている方々に、心から感謝を。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます人´∀`).☆.。.:*
「子どもたちに幸せの記憶をおくろう」


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ハチドリのひとしずく

あまり嬉しかったモノで・・・・
今日は、最初にお礼を。初コメントいただきました。とっても嬉しかったです。ありがとうございました。「うんこ!」が、あなたの幸せの記憶の種になりますように・・・・。


今日の絵本

ハチドリのひとしずく いま、私にできること
ハチドリのひとしずく いま、私にできること
光文社

あらすじ
 ハチドリのクリキンディが主役の絵本。といっても、とてもとても短いお話です。南アメリカに伝わる昔話が絵本になりました。
ある日、森が火事になり、動物たちが我先に逃げる中、クリキンディだけは逃げずに一滴ずつ水を運んで火を消そうとします。他の動物たちは、それを見て笑いますが、クリキンディの言った一言。「わたしは、わたしにできることをしているだけ」。何かを私たちに訴えかける言葉です。

絵本の思い出
 夏休みのある日、娘ちびkoliが言いました。「ママ、なるべく短いお話の本ない?」聞けば、読書感想文の課題が出ているのだとか。なるべく短い本を読み、さっさと読書感想文を終わらせてしまう作戦でした。少し考えて、私は「ハチドリのひとしずく」を貸してあげました。彼女の読書感想文は、何日たっても書きあがりません。他の本に変更してしまったかな?と思っていた1週間後、私のデスクに感想文が乗っていました。以下、ちびkoliの感想文から抜粋です。
「・・・・クリキンディは、自分が命をなくすかもしれないと分かっていたのだと思う。それでも動かずにはいられなかった理由は何だろう。それは、みんなで仲良く暮らした森。森を失うことは、仲間を失うこと。命を失うこと。未来を失うこと。だから、クリキンディは、体が小さくても、力がなくても、自分が一員としてやるべきことをしたいと願って行動したのだと思う。何よりも、幸せに暮らしたみんなとの思い出を守りたかったのだと思う。・・・・中略・・・・私は、小さい。私が出来ることも少ない。でも何も出来ないわけではない。強い人になりたい。戦う勇気を持ちたい。クリキンディのように・・・・母は、そのことを伝えたかったのだと思う。」
 読み終えたとき、私は泣いていました。感動したのです。親バカですね、笑。彼女なりに、ずいぶん悩んで書いたのでしょう。何度も何度も、消しゴムで消し、書き直した跡がありました。その悩んだ跡にとても感動しました。
 本には、続きがあります。クリキンディのお話に続いて、実際に世界の何かのために戦い、行動している人たちの手記が載っています。彼女はそこも読んだのでしょうか?伝説のスピーチを地球サミットで行った女の子セヴァン・カリス・スズキの現在など。
 この本について、娘とは、その後話したことはありません。話す必要がなかったからです。子どもの時代を少しずつ卒業し始めた娘が、何かを感じてくれたのだろうと信じているからです。親として、とても幸せな絵本の記憶です。
 今、心に絆創膏が必要になっている大人の皆さんにも「しあわせの記憶」の種を!

「ハチドリのひとしずく」と関わって紹介したい本

あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ
あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ
学陽書房

環境サミットで1人の少女が訴えたスピーチ。「なぜ、大人は私たちにしてはいけないということをしているのですか」と。私たちにも何か出来るかもしれない、しなくてはならないと考えさせてくれるスピーチ記録です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます人´∀`).☆.。.:*
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