絵本の時間

幼い頃、読んでもらった絵本。内容はおぼろげになった本もありますが、忙しかった両親が寝る前に読み聞かせをしてくれる、短いけれど温かい時間は、一生の宝物です。そんな記憶を綴り、自分の子どもたちにも幸せの記憶を贈りたいと願うブログです。

ふたりはともだち


kaokoさんのリクエストにお応えして・・・・(*´∀`*)

ふたりはともだち (ミセスこどもの本)
ふたりはともだち (ミセスこどもの本)
文化出版局

あらすじ
※かえるくんとがまくんの何気ない、けれど温かい友情を描いたおはなしです。
「はるがきた」「おはなし」「なくしたボタン」「すいえい」「おてがみ」の五編から成り立っています。その中でも「おてがみ」は小学校の教科書にも取り上げられた名作です。
「おてがみ」
がまくんは元気がありません。「ぼく、おてがみをもらったことがないんだよ」。がまくんは、1日の中で一番不幸せで悲しい時間を過ごしています。
かえるくんは、飛んで家に帰ると鉛筆と紙を見つけ、がまくんに「おてがみ」を書くのです。そして、知り合いのかたつむりくんに配達を頼みました。
かたつむりくんは「まかせてくれよ。すぐやるぜ」と快く引き受けてくれました。
それから、かえるくんはがまくんの家に戻り、ベッドの中のがまくんを励まして、二人でお手紙を待ちます。
「きっとくるよ。だって、ぼくがきみに てがみ だしたんだもの」
かえるくんの「おてがみ」には
『しんあいなるがまがえるくん。ぼくは きみが ぼくの しんゆうであることを うれしく おもっています。 きみの しんゆう かえる』
と書いたことを伝えました。がまくんは「ああ」と声を上げます。「とても いい てがみだ」
それから、二人は玄関に出て「おてがみ」を待ちました。二人ともとても幸せな気持ちで。
四日後、かたつむりくんは到着し、「おてがみ」をもらったがまくんは、とても喜びました。

絵本の思い出
小学校1年生の頃、koli太郎はこのお話が大好きでした。国語の教科書に掲載されていたのですが、寝る前の読み聞かせに「コレ読んで~」とおねだり、笑。
なかなか友だちの出来ないkoli太郎には、がまくんを思いやるかえるくんのような友だちは、憧れだったのでしょう。
「ぼくにもかえるくんいたらなぁ」


・・・だよね。


親としては、ちょっぴり切ない思いで聞いた覚えがあります。
いつものように読み聞かせをして、部屋の朱里を消そうとしたとき、koli太郎が言いました。
「すごいよね。かえるくん。かたつむりに頼んだんだよ」


母は思いました。
足の遅いかたつむりにたのむなんて!
ねぇ。もっと足の速い友だちに頼んだら、もっと早く、がまくんは嬉しくなったのにね。


そう話すと、koli太郎は不思議な顔をしています。
「なんで?早く届いたら、ダメでしょ」


ん?どういうことだ?


するとkoli太郎は言いました。
「だって、待つ時間が短くなるもの(ノД`)」


んん?


よくよく話を聞いて、母はハッとしました。
このお話は、がまくんがかえるくんの「おてがみ」もらって嬉しいお話じゃなかったんですね。
これは、「おてがみを待つ時間が悲しくて不幸せだ」と感じたがまくんに「待つ幸せ」を少しでも長く味わってもらおうと奮闘するかえるくんの物語だったのです。


「かたつむりくんじゃなくちゃ、ダメなんだよ。」


koli太郎が言いました。


がまくんは、とても幸せな4日間を過ごしたのでしょう。それを見ていたかえるくんも、どんなに幸せだったでしょう。


「koli太郎はかえるくんみたいな人になりたいの?」
そう聞くと、koli太郎は首を横に振りました。
「ボク、お友だちあんまりいないから・・・」
質問してしまって、後悔した母です。


「でも、ボクかたつむりさんになるよ。かえるくんとがまくんのために、頑張ったんだよね。かたつむりさんすごいなぁ。」


4日間も、がまくんとかえるくんの友情のために、諦めず一生懸命に歩き続けたかたつむりさん。koli太郎の心に響いたのは、二人の友情以上にそれを応援した優しく頼もしいかたつむりさんでした。母は、ちょっぴり心が温かく、切なくなりました。


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おとうさんはウルトラマン

おとうさんはウルトラマン (ウルトラマンえほん)
おとうさんはウルトラマン (ウルトラマンえほん)
学研プラス

あらすじ
ウルトラマンの家族のお話絵本。
一家の大黒柱、おとうさんはウルトラマン。
ちょっとの傷が出来たって泣かないし、きっちり3分で仕事は終わらせる。
背中で強さと頼もしさを語るみんなのヒーローです。
でも、おうちに帰れば、怪獣役だって子どものためにやってしまうし、子どもの成長を優しく見守るめっぽう甘くて、涙もろいお父さんなのです。
怪獣から町を守るため日々戦うお父さんは、後片付けがちょっぴりヘタだったり、子どもの怪我にオロオロしてしまったり、甘すぎておかあさんに怒られたりしてしまうけれど、子どものために日々ヒーローのお仕事を頑張っているのです。

絵本の思い出
この絵本は、koli太郎からちびkoliへ。
ちびkoliからkoli次郎へと受け継がれた我が家のベスト絵本。
ぱぱkoliは毎年、GWや夏休みになると特に家業が忙しくなってしまい、ほとんど家におりません。帰ってきたかと思うと、電話一本でまた呼び出されていきます。そんなこんなで、実は我が家の子どもたち、いまだに海で泳いだことがないのです・・・。
だから、子どもたちは「夏休みなのに~」とよくふてくされます。
私はと言えば、今年春まで土日休みで若干夏休みも取れる仕事に就いていたのですけれど、やっぱり家業が忙しいと呼び出しがかかってしまいます。
心の中で「ごめんね~」と思いながら、何とも仕方ない状態でした。


小さかったkoli太郎。
「ぼくのおとうさんも〇〇くんのおとうさんみたいだったら良かった(ノД`)」と泣かれてしまいました。〇〇くんのお父さんは公務員。土日もGWも夏休みも家族一緒です。親としてとても切なかったです。


そんなとき、出会った絵本が「おとうさんはウルトラマン」。
会えない日が続くと、よく読んであげた絵本なのです。小さかったkoli太郎は「おとうさん、お外で戦っているの?」と聞いてきました。
少し迷いましたが(ちょっと難しいかなぁと思ったのですけれど)
「おとうさんね。koli太郎においしいモノ食べさせたり、楽しいところに連れて行って上げるためにお外でお仕事頑張っているんだよ」とお話ししました。


「ふーん」とkoli太郎。


見つめていたページは、眠ってしまった子どものために一生懸命お面を作っているウルトラマンの姿でした。何を感じたのかな?
ぱぱkoliが帰宅したときに、その話をすると、ぱぱkoliは「よし」と言って輪ゴムと割り箸の鉄砲を作り、眠っているkoli太郎の枕元に置きました。


翌日もkoli太郎に会う前に、出勤してしまったぱぱkoli。


けれど、起きてきたkoli太郎はとっても幸せそうで、「『おとうさんはウルトラマン』読んでよ」とせがむのでした。


今はkoli次郎の番。koli次郎にもぱぱkoliの「大好きだよ」気持ちが通じることを願って。

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ラチとらいおん

ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ)
ラチとらいおん (世界傑作絵本シリーズ)
福音館書店


あらすじ
 ラチは世界で一番弱虫な男の子。犬も怖ければ、暗闇も怖い。お友達も怖いというのだから、外で遊ぶなんて恐ろしい!お部屋で絵本を読んだり、絵を描いたりして過ごしています。ラチのお気に入りは一枚の「らいおん」の絵。こんな「らいおん」が側にいてくれたらなと思います。
 翌日、目が覚めると、なんと部屋には赤い小さな「らいおん」が!ラチは、何の役にも立たないと大笑いしますが、「らいおん」は片手でイスを持ち上げてみせます。そして、強くなる秘訣を教えてくれるのです。毎日体操して、少しずつ体を鍛えたラチは、ポケットに「らいおん」を入れて、外の世界へ出かけるようになりました。犬が怖くて泣いている女の子を助けたり、暗闇に立ち向かったり、いじめっ子にとられたボールを取り返そうと奮闘したり、「強いラチ」に成長していきます。
 ラチは「らいおん」にお礼を言おうと、ポケットを探ります。すると「らいおん」はいなくなっており、代わりにりんごが一つ入っていました。
 急いで帰ったラチが見つけた「らいおん」の手紙には、「きみを自慢に思うよ」と別れの言葉が書いてあるのでした。


絵本の思い出
 幼い頃のkoli太郎は「もやしっ子」でした。外に遊びに行けば「転んだーっ」と泣いて帰り、幼稚園や小学校に行っては「いじめられたーっ」とべそをかき。
 喘息持ちで、あまりにも大事にしてしまいすぎた母の責任かもしれません。
長男ということもあり、甘やかされたお坊ちゃんだったわけです。小学校1年生の時、学校の帰り道で、同じクラスのRくんに馬乗りになって殴られ、近所の人が助けに入るということがありました。
「ぼく、走るの遅いし、字を書くのもヘタだし、見ていてイライラするんだって。イライラってどういうこと?」
学校や相手方のお母さんから話を聞くと、席替えで同じ班になったRくん、同じように走るのも遅くて、字を書くのも苦手で、koli太郎とは似たもの同士。周りから一緒に冷やかされたり、からかわれたりすることもあったようなのですが、彼は一生懸命に立ち向かっていたそうです。それなのに、泣いてばかりで一向に抵抗の姿勢が見えない「もやしっ子」koli太郎にイライラしてしまったようだったのでした。
「痛かったね。Rくん殴っちゃイケないね」
と、受け止めつつ、Rくんはきっと、koli太郎にもっと心が強い人になって欲しいと思っていること、一緒に頑張ろうという気持ちを持っていることをお話ししました。


「けれど、ぼく、涙が出てきちゃうんだ。何か言い返そうって思うけれど、怖くなっちゃうんだ」


うん。分かる分かる。だって多勢に無勢。
母は「ラチとらいおん」を読んであげました。
いつもならニコニコして読み聞かせを聞くkoli太郎ですが、この時ばかりはとても神妙でした。そして、怒ったように
「だって『らいおん』いないじゃん。」と。


母は我慢強く話しました。koli太郎のポケットに「らいおん」はいないけれど、パパやママやRくん、koli太郎を「がんばれ」と応援している人の思いが、ちゃんと入っているのだってコト。みんなの応援が、きっとkoli太郎を支えてくれること。
そして、「いつでも一緒に謝りに行ってあげるから、ケンカしても大丈夫。」と話しました。


しばらくたった休日。近くの公園に出かけていったkoli太郎。ズボンの膝を破り、どろんこになって帰ってきました。でも、泣いてはいません。目がキラキラしています。
「ぼく、戦ってきた」と言います。
koli太郎は、カエルをおもちゃの鉄砲で撃って遊んでいた、当時6年生の男の子2人と「ケンカ」をしてきたのだと言います。「カエルの気持ちになって」と足にしがみつき、突き飛ばされたのだと言います。そして、死んでしまった「カエル」のお葬式をしたいと言いました。
私はスコップをもって、手をつないでkoli太郎と公園に行き、かわいそうな「カエル」をスコップにのせ、わが家の庭に埋めました。たくさんの野の花、庭に咲くバラをお布団にして・・・。
何かのために、誰かのために「戦う勇気」は、koli太郎にもある!


「ぼくのポケットには『らいおん』がいるんだよ。見えないけれどね」


koli太郎の言葉に、母も『らいおん』が欲しいなぁと感じました。見えないけれど、支えてくれる人、共感してくれる人、応援してくれる人、叱咤激励してくれる人、いろんな人の思いがポケットにあることを気づける私でありたいと思いました。

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