絵本の時間

幼い頃、読んでもらった絵本。内容はおぼろげになった本もありますが、忙しかった両親が寝る前に読み聞かせをしてくれる、短いけれど温かい時間は、一生の宝物です。そんな記憶を綴り、自分の子どもたちにも幸せの記憶を贈りたいと願うブログです。

おこだでませんように

おこだでませんように
おこだでませんように
小学館


あらすじ
「ぼくは、いつもおこられる。いえでも、がっこうでもおこられる」
『ぼく』は妹を泣かせて、おかあちゃんにおこられた。
でも、本当はおかあちゃんが仕事でいないとき、妹に折り紙を折ってあげたのに、妹が気に入らなかったのだ。しまいには、宿題が終わっていないこともおこられた。妹の世話をして、出来なかっただけなのに。
学校では、遊びに混ぜてもらえなかった『ぼく』。意地悪されて、ケンカになって相手にパンチとキックをくらわせてしまった。そしたら、先生に「暴力です」とおこられた・・・。「おまえなんか、まぜてやらへん」の言葉は、『ぼく』の心へのパンチだと『ぼく』は思う。


どうして、いつも『ぼく』はおこられるんだろう・・・。
自分の気持ちは言えない。だって、もっとおこられちゃうから。
おこられると、だまって横を向くだけ。
でも・・・
本当は「ええこ」になりたい『ぼく』。どうしたら「ええこ」になれるんだろ。そして、どうしたら、ほめてもらえるんだろ。本当は、妹みたいにかわいがられたい。


ある日、学校で七夕の短冊を書くことになった。『ぼく』は一生懸命に願いを込めて一字一字を書いた。
『おこだでませんように』
あんまり、一生懸命に書いたので「早くしなさい」と怒られながら。
先生に短冊を見せたら、先生はじっとその短冊を見ていた。その目には涙が浮かんでいた。「ごめんね」いつも怒ってばかりいたことに気がつき、泣きながら「ほんまに、いい願いごとやね」と『ぼく』をほめてくれたのだ。初めて『ぼく』の気持ちに気がついてくれたのだ。


先生は夜、おかあちゃんに電話してくれた。長い時間話した後、おかあちゃんは妹にするみたいに「ぎゅっ」と『ぼく』を抱きしめてくれた。
『ぼく』は思った。「七夕の願い事がかなった」と。


そして、夜布団の中で「七夕様」に「ありがとう、お礼にもっともっとええこになる」と約束した。


絵本の思い出
 小さい頃から落ち着きのなかったkoli太郎。授業中に怒られ、休み時間に友だちとケンカして怒られ、家で妹を泣かせて怒られ・・・。
今や中学校3年生。今年はいよいよ受験生です。
先日、koli次郎の絵本を買いに本屋さんに行ったときのことです。
 自分のお目当ての文房具を見つけ、その文房具を手に絵本コーナーの母とkoli次郎の所へやって来たkoli太郎。
 懐かしかったのか、いろんな絵本をパラパラとめくり始めました。
「これ、読んでもらったね」とか「知らない絵本だな」なんて話をしながら。
ふと、koli太郎の手が止まりました。持ち上げた絵本のタイトルは『おこだでませんように』。そして、
「ママ、これ知ってる?」
「ううん。読んだことないなぁ」
「・・・これ、オレだ、ハハハッ。」


母は、絵本を受け取り、立ち読みしました。
妹を世話して泣かせた場面。学校で怒られた場面。夜「ええこになりたい」と心から願う姿に、koli太郎を重ねました。
「こんなに怒られてたっけ?」
「もっとだよ。本当にどうして僕は悪い子に生まれてしまったんだろって思ったな。」


なんとなくつぶやいたkoli太郎の一言が、胸に刺さります。
「いい子になりたいけれど、どうやったらそうなれるのか分からなくてさ。結構落ち込んだときもあったよね。怒った方は覚えて無くても、怒られた僕が言っているのだから、確かだよ」


手のかかる子でした。
お話が通じないなぁと悩みました。
ゲンコツしたときもあります。
そういえば、「言い訳はしない!」と怒ったときもあります。
でも、「言い訳」をちゃんと聞いてあげれば良かったなぁ。
この子は、ずっと自分は「悪い子」だって思いながら、大きくなってきたのだろうか?


母は、突然忘れていた宿題を突きつけられたように感じました。


「koli太郎の気持ち、ママは全然分かってなかったね。ごめんね。」


思い切ってそう言いました。すると
「ちびkoliが羨ましいなぁと思ったよ。かわいがらてて、いいなぁって。ママにもパパにも先生にも怒られたけれど、僕のほうがみんなの気持ち分からなかったのかなぁって、今思ってるよ。いいじゃん。今、それが分かってるんだから。」


母を思いやってくれたのでしょうか。母を責める言葉は、出てきませんでした。
取り返そうにも、取り返せない幼い頃のkoli太郎との時間。
母は、自分の戒めとして、『おこだでませんように』を買いました。


後日談
ぱぱkoliに本を手渡しました。まず、読んでみてちょうだい、と。
すると、だんだん目に涙がたまり、読み終わると「ほーっ」とため息をつきました。これからは、koli太郎はじめ、子どもたちの気持ちを聞くことの出来る親でありたいと2人で誓いました。・・・・できるかな?

こどもたちに幸せの記憶をおくろう
                                                                                             

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