絵本の時間

幼い頃、読んでもらった絵本。内容はおぼろげになった本もありますが、忙しかった両親が寝る前に読み聞かせをしてくれる、短いけれど温かい時間は、一生の宝物です。そんな記憶を綴り、自分の子どもたちにも幸せの記憶を贈りたいと願うブログです。

しげちゃん

しげちゃん
しげちゃん
金の星社


あらすじ
『しげる』という名の女の子(女優 室井滋さん)のお話。
しげちゃんは、自分の名前が嫌でたまらないのです。男の子みたいだから・・・。
小学校の入学式。男の子と女の子が隣同士に座るのだけれど、隣の男の子が名前を見て泣き出しました。「オレだけ、男と隣同士だ~」って。
 それからというものの、名前のせいでからかわれ、しげちゃんはどんどん自分の名前を嫌いになっていきます。いつしか、改名するなら『ももこ』とか『すみれ』なんかがいいなぁと考え、中学生になったら、大人になったら改名しようと心に決めています。
 そんな思いをお母さんにぶつけたところ、「それは無理!」と戸籍の話をされてしまいます。しげちゃんは絶望します。
 けれどお母さんは、今までしげちゃんが知らなかった家族の話もしてくれました。それは、しげちゃんが生まれる前に、お兄ちゃんが生まれたけれど、赤ちゃんのうちに亡くなってしまったこと。それで、お父さんとお母さんはしげちゃんが生まれたとき、一生懸命に考え、願いを込めた名前を付けたのだと言うこと。
「滋養」の「滋(しげる)」。
 お兄ちゃんの分まで、元気に生きるという願いが込められていたのです。
 しげちゃんは、この話を聞いてから、前ほど自分の名前が嫌いではなくなりました。それどころか、もっともっと自分の名前を大好きになりたいと決心するのです。


絵本の思い出
 ちびkoliの本名はちょっと変わっているのです。今はやりのいわゆる「きらきらネーム」ではないのですが、願いを込めた漢字を並べて読んでみると、皆さんが知っているある生き物になるのです。だから、ちびkoliは、自分の名前なのだけれど、人に呼ばれたりからかわれるのが嫌だと幼稚園の頃から、名前の話題はNGでした。ちなみに、今でもからかわれることがあるそうです。


 小学校の低学年の頃、夏休みの読書感想文を書くことになったとき、本屋さんで『しげちゃん』を見つけました。多分課題図書コーナーだったと思います。


 koli太郎は「うひゃひゃ!この本、すごくちびkoliに似てる~( ̄∇ ̄)!」とちびkoliに差し出しました。表紙を見てもらうと分かるのですが、前髪ぱっつんのおかっぱ頭。
 ちびkoliは「全然似てないよ~怒!」と言いましたが・・・笑。ちなみに髪型そっくりだったので、私も笑ってしまいました。ところが、koli太郎が『似ている』と言ったのは、表紙ではなく・・・。


「ちびkoli、名前からかわれるの嫌だっていっていたでしょ!他の名前だったらからかわれないのに!って・・・。ボクも分からないけれど、「しげちゃん」みたいに、どういう願いが込められた名前なのか、ママやパパに聞いたらどうってこと!」


・・・・・。


本屋さんの絵本コーナーで、koli太郎とちびkoliの目が私を見つめて「?」と訴えている!


周りにたくさん他のお客さんもいらっしゃったけれど、母はなんだか試されている気持ちになり、二人の目の高さになるようにしゃがんでお話をしました。
「ちびkoliの名前は、パパが『人の心に寄り添える豊かな心を持った人に育って欲しい』って言ったの。ママもそれに賛成して、『お友達や周りの人を温かい気持ちにするような心を持って欲しいね』って話したの。それで、この漢字を選んだんだよ。分かる?」


話を聞いていたkoli太郎は『どうだ!』とばかりに、ちびkoliをニヤニヤ見ています。
ちびkoliは・・・・。
見開いた目があっというお水でいっぱいになり、限界を超えたとき、ボロボロっと大粒の涙がこぼれました。


「ごめんなさい」


言ったっきり、声を上げるでもなく、拳をにぎり、唇をキュッとかんでその場に立つ娘の姿が忘れられません。名前を変えたいと思ったことが「ごめんなさい」なのか、「何でこんな名前付けたのよ」と言ったのが「ごめんなさい」なのか・・・。
分かりませんでしたが、母としてはちびkoliの心に、触れることが出来たような、温かい気持ちになりました。きっとからかわれるたび、苦しかったり、切なかったり、怒ったりしたのでしょう。そんな妹を見ていたお兄ちゃんは、どんな思いでこの本を差し出したのでしょう。


今「しげちゃん」は、ちびkoliの部屋の本棚に置いてあります。もう、絵本を読む年齢でもないのですが、koli次郎が「ちょーだい」と言ったけれど、置き場所はそのまま。ちびkoliの心を支えてくれる絵本として、今も活躍しているのだと思います。

こどもたちに幸せの記憶をおくろう

                                                                         

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